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翌朝。
昨日は映画館デートをゆっくりしたあと、他愛無い会話をしながら(尾崎さんと権田さんが密かに護衛しながら)、2人で普通のデートを楽しんだ。
私の体を労わりながらエスコートしてくれる彼と手を繋いで、夕飯の買い物をしてすぐに家に帰っては、甘い時間を過ごした。
キス以上のことは求められることもなく、“今日も可愛いよ”“好きだよ”“誘惑してるの?”など、甘くもあり、刺激もあった言葉責めにあったりしたが、幸せとしか表現できない。
何してもカッコいい。
高校生の頃はもう少し可愛い感じがあったのに、25手前にもなると、こんなにも違うのだろうか。
私の心臓が保たなさすぎてやばいです。
「おはよ。今日からエデンガーデンの一員だね!」
寝癖をつけたままの彼がこちらを振り返って言う。
グレーの部屋着を着たままなので、彼は今日もお休みらしい。
モーニングコーヒーを片手に、膝の上に新聞を広げていた。
野木くんの影響で、一人暮らしを始めてから新聞を取るようになったのだが、野木くんみたいに瞬間で読み込むことは私には出来ないでいる。
「おはようございます。
そうだ、今日から野木グループの一員なので、よろしくお願い申し上げます」
ベッドから降りて、ゆるゆると頭を下げると、彼はいつになくご機嫌な顔をしていた。
「乙葉の新しい制服が見れると思うと嬉しいなー」
きょとんとしながら、彼を見上げた。
「表舞台出ないけど、野木くんと会うことあるといいなー」
「VIPルームに呼ぶからきてね、“秘書さん”」
寝癖をつけていても、かっこよくて思わずときめいた。
「忙しくなかったらね?」
「一応、野木グループの息子なので宜しくお願いしますー笑」
「特別扱いするのー?」
「秘書といかがわしいことしたいんです、VIPルームで」
「却下しますー」
「少しくらいノッてくれてもいいのにー」
冗談だよーと笑ってるが、野木くんの場合冗談では済まなさそうである。
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