娘さんを僕にください!

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夜間勤務の時は千田さんがフロントに来てくれるので、楽しい生活を送れている。 女子更衣室で制服を脱ぎ、制服回収のカゴへ無造作に入れた。 ストッキングが伝線してないことを確認して、新品のワンピースに着替え、メイクをサッと直した。 明日のことで頭がいっぱいだったが、あの白桜御学園のOBがここに集まるということは、宴会場はまた凄い豪華なのでは? 若干な不安を覚えつつ、仕事用のパンプスからパーティー用のハイヒールに履き替えた。 つま先はキラキラとしたラメが散りばめられ、ヌーディグレージュのエナメルパンプスは、野木くんからのプレゼントだった。 高いおかげか、コツコツと音も鳴らないし、つま先や足の裏が痛くなることもない。 足にフィットしていて気分がいい。 彼からのプレゼントということもあって、大面鏡の前でくるりと一回りしてしまうほど、舞い上がった。 イヤリングは、青いドロップ型の涼しげな揺れるものをチョイスした。 セミロングだった髪の毛もいつのまにか肩より下になっていたので、ヘアアイロンを使って巻いてみる。 高校生の頃に小春ちゃんから教えてもらったテクニックが、まさかここで役に立つとは、、、。 毛先を軽く巻いただけだが、華やかさが出た気がする。 白のクラッチバックにハンカチやリップ、スマホを入れて会場に向かった。 会場フロアに繋がるメインエレベーターに乗ると、白桜御OBだと思われる、明らかにお金を持ってる人たちが乗っていた。 エレベーターの中には高級ブランドの香水の香りが漂い、有名な腕時計をはめて、さりげないブランド服を纏っている。 わぁ、庶民との差を見せつけられている感じがするー。 左手首につけたピンクゴールドの華奢な腕時計をチラリと覗く。 時刻は19:00前。 先に到着している人たちはとっくにお酒を仰いでいることだろうか。 ついついホテリエとしての仕事の方ばかり考えてまいそうになり、頭の中から仕事を追い出そうと首を横に振る。 エレベーターの戸が開くと、夜景が一望出来る大きなガラス窓が目の前に飛び込んできた。 陽が伸びたおかげでまだ空は明るいが、港町とオフィス街や繁華街の光が美しく彩っている。 会場前には、見たことのない黒服の人たちがあちこちに配置されている。 もしかして、野木くんの知り合い?? 警備体制バッチリにしておくと言っていたが、この人たちのことだろうか。 その中には女性もいたりして、不思議な気持ちでその人たちの横を通り過ぎた。 ??? ヤクザって、女の人もなれるものなのかな?? それとも警備員??
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