ヤンデレ彼氏はヤクザで御曹司です

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ヤンデレ彼氏はヤクザで御曹司です

「やっぱり自分に似た子供が出来るのは納得出来ない!!!」 断固として子供を欲しがらない野木くん(野木 渚(のぎ なぎさ))と、彼そっくりな子供が欲しい私、如月 乙葉(きさらぎ おとは)は、絶賛喧嘩中です。 結婚したい私たちは、まず結婚に対する思いをぶつけ合うことから始めた。 の、だが。 「絶対、緊急避妊薬飲みたくないです! 第一、野木くんがつけ忘れてしまうのが落ち度です!!」 「男の性欲舐めちゃだめだよ?!理性吹っ飛んでんだから!!10年もえっちしたい気持ち抑え込んできてたんだよ?もう乙葉のことしか考えられて無かったんだ。そこは素直に謝るから!!浅はかだった。本当に申し訳ありませんでした」 柔らかなホワイトブロンドの髪は朝の7時だというのに、セットもせずに、寝癖をつけた美男子が言う。 見事なまでに美しい土下座をしてみせながら、顔を歪ませて、避妊薬を渡そうとしてきた。 なんて人なんだろう。 私は結婚したい。つまり、彼の子供も叶うなら欲しいと思っている。 それなのに、野木くんはどうしても自分に似た子供ができるのが嫌だと言う。 どうしてそこまで嫌なのか聞きたいのに、彼はそんなことより薬を飲もうと催促してくるのだ。 避妊薬による副作用も調べてくれていたのか、君の体調が良くなるまで仕事はしないでつき添うとか言ってくる。 あんまりなのでは?!と怒っているのだが、彼はそれでも!!となかなか引き下がってくれなかった。 土下座していた彼は膝立ちになって、ベッドの隅に座っている私の足首を掴んだ。 そのまま足の甲にキスを落とされて、不服そうにこちらを見上げてくる。 「お願いだよ。俺の遺伝子引き継いでくるとか考えるとやっぱ良くない気がするんだ」 何弱気になってるんだか。 白くキメの整った頬を足の甲にすり寄せて、再び足首、ふくらはぎ、膝とキスを落とされていく。 こそばゆいキスに思わず肌が粟立った。 「やめっ」 ブルッと骨の芯が震えるように疼き出す快感に、野木くんは艶やかな双眸を向けてきた。 「お願い」 彼の熱い舌が太ももの内側に這わせられ、ゾクゾクっと肌が震える。 肩を竦めて、倒れそうになる背筋を必死に力を入れていた。 「責任取りたくないから、なの?」 口から吐いてきたその言葉で、野木くんの舌が太ももから離れた。 「違うよ。単純に俺みたいな(クズ)をこの世に生み出すのが嫌なだけ。赤ちゃんが悪いわけじゃなくて、が嫌なんだ。乙葉に似た子供は欲しいと思うけど、その中に俺がいると思ったら、、、愛せるのかどうか不安なんだよ。 きっと乙葉との子供は愛らしいと思う。 でも、俺みたいなのが子供作っても良いのかって思っちゃうんだ。 俺なんかが親になったら、子供が不幸になりそうで」 お腹に抱きついてくるように、膝の間に割って入ってきて、腰に腕を回してくる。 私のお腹にそっと、愛しさを込められたキスを送られて、お腹の奥がキュンとする。 どこまでも愛おしい彼。 そんなに自分を拒絶しなくても良いのに。 甘えるように抱きつく彼の髪の毛を指で漉きながら、頬に手を添えた。 長いまつ毛は伏せられていて、切なく閉じている。 この髪色も、細くて猫っ毛の髪の毛も、整った顔立ちも、愛してると囁くその唇も舌も、熱い眼差しをむけてくるその碧い瞳も、私は愛している。 饒舌に愛を語りかけてくる彼の表情は、この世のものとは思えないほどに美しく綺麗だ。 そんな彼が自分自身を嫌っている。 何が彼をそう思わせてしまうのだろうか。 彼の手に持つ避妊薬の薬を見て、私は切なく視線を落とした。 私個人だけで“産みたい”じゃダメなんだ。 まだ宿ってもいないお腹をさすった。 「野木くん?」 「ん?」 「愛してるからね」 突然の愛に、野木くんはフリーズしていた。 固まっている彼の唇を人差し指でなぞると、彼の瞳の色が変わっていくのがわかる。 欲情した瞳だ。 「朝からそんな可愛い顔して、昨晩あんなに激しく抱いたばかりだから、今日は大人しくしておこうと思ってるのに。物欲しそうな顔してるの気がついてる?」 鋭くも恐ろしく見えるその野生味帯びた彼の視線は、どうやら激しい欲情の時にみせるらしかった。 ただ愛しくて伝えただけなのに。 抱きついていた体を離して、彼の体が私を覆うように抱きすくめてくる。 「体調どう?」 確かめるように唇を奪いながら、彼の熱い吐息が漏れていく。 濡れたような瞳が私だけを映していた。 栗色の髪、薄茶の瞳を潤ませて、何をされるのだろうと不安げに彼を見あげている。 その華奢な体を覆いながら、彼はお腹や腰をさすってくれた。 激しい愛欲を彼に穿たれて、膝はガクガクだし腰が悲鳴を上げて立てなくて、仕事を休んだのだった。 まさか、愛を確かめ合う行為で仕事を休むことになるなんて想像もしたことがなかった。 先輩たち、きっと面白おかしく噂してるんだろうな。 そう思うと明日の仕事が憂鬱になる。 「お腹は何となく痛むけど、生理痛に比べたら優しいものかな」 心配してくれる彼の表情はそれでも憂いているのは、昨晩、初めて彼と結ばれたことが原因だろうか。 晴れて昨日で処女を卒業し、彼との初体験を済ませたが、まぁ予期してなかった処女喪失だった。 普段は優しく、気遣いの行き届いた紳士的な彼が、夜になると絶倫と化して、性格も歪んでいくのだった。 激しい愛情と嫉妬に狂った彼の気持ちはとんでもなく攻撃的で、愛に溢れていた。 愛しさで我を失いながら、射精障害を患っている彼が、私の中に大量に放出したため、今に至る。 理性を失って避妊をせずに行った結果は、気持ちが通じ合って『結婚』を意識した。 が、彼なりの理由があるらしく、結婚はするけど子供は嫌だと言う。 『出ない』と思っていたものが、私の中で激しく脈打って出したものだから、彼も困惑しているのだろう。 さて、結婚するには問題がたくさん山積みである。
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