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ホテルの一室で、私と理くんは裸になっていた。
もちろん、理くんの黒い蛇にはコンドームが着けられている。妻がいるから当然だろうと私は思っていた。
理くんの白い肌は、華奢な見た目とは裏腹にギリシャ彫刻の様に鍛え上げられていた。
白い肌の中に棲み着いている黒い蛇が、私の方を向いている。
「優華、こっちへおいで。」
その言葉に、私の花弁が潤う。
私は、ベッドへと入っていく。
私の花弁が、理くんの黒い蛇に絡みつく。
子宮の中に黒い蛇が入っていく。
私は、荒い吐息を吐きながら上下に動く黒い蛇に合わせて喘ぎ声を上げていた。
肌と肌が擦れる音がする。
抱き合っている理くんの鼓動が、こちらにまで伝わってくるような気がした。
「ああっ・・・。ああっ・・・。気持ちいいっ・・・。」
「そうか。気持ちいいか。じゃあ、この一突きで絶頂に至らせてやる。」
そう言って、理くんは黒い蛇を子宮の中へと突き出した。
こうして、私は絶頂した。
――そして、快楽の海へと溺れていった。
翌朝。
私はスマホのアラームで目を醒ました。
当然、ドラマの撮影は入っている。
私と理くんは何事も無かったように服に着替えて、東京放送の青山スタジオへと向かっていった。
「昨日のこと、もちろん由依さんには内緒ですよね?」
「当然だろう。このことが由依に知られたら大事だ。最悪の場合三行半まで突き付けられる。」
「ですよね。それはともかく、今日もドラマの撮影がんばりましょう!」
「だな。」
私と理くんの一夜は、何事も無かったように処理された筈だった。死神が私の足元へと忍び寄っているとは思わずに。
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