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パタパタと騒がしい足音が聞こえてくる。美雨がアイスを持って部屋に入って来た。
「ひなたー、アイス持ってきたよ」
「ん。そこに置いて」
陽向がモニターから視線を外さずネットゲームに夢中だ。
「アイス溶けちゃう」
頬を膨らませて、陽向のアイスを冷蔵庫に入れにキッチンに行く。
美雨は戻ってくると、陽向の隣に座って自分だけアイスを食べ始めた。勿論、アイスはバニラ味。
「食べる?」
アイスを1口分すくい、陽向の口元に持っていく。
陽向は、目の前のアイスに見向きもせず、美雨のアイスが付いた、ふんわりと柔らかく甘い唇をハムっと食み込んだ。
「美味しい」
イタズラな視線で美雨を見ると、美雨の頬は赤くなっていく。
「キス……」
「もう一口……」
陽向は、もう一度甘いキスをした。
2人の初めてのキスの味は、甘いバニラ味。
おしまい♡
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