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そこに学科で1番イケメンの智也先輩が美雨達に声を掛けてきた。
「楽しんでる?」
切れ長の大きな瞳で優しく問いかける。咲良は嬉しそう。
「はい!」
可愛いえくぼを見せながら笑顔で答えていた。
美雨の隣に智也先輩が座った。いつも隣に陽向が居るせいか、近くに男の人が居るのに慣れていない。
肩が時々、触れしまう距離に美雨は緊張してしまう。智也先輩と咲良の会話に合わせるので精一杯だった。
緊張して頬が熱くなる。それを誤魔化すようにソフトドリンクをゴクゴクゴクと勢いよく流し込む。すると胸が息苦しいほどドキドキしてきた。体があっと燃えるような感覚を感じて、ふわふわしてきた。
「あれ?熱くて、ふわふわする……」
「どうしたの?大丈夫?」
智也先輩が美雨の顔を覗き込み、大きな手が美雨の頬に触れる。
智也先輩に頬を触れられ、更に耳まで赤くなっていく。
咲良は、そんな美雨を見て、飲んでいたグラスを見ると智也先輩が飲んでいた酎ハイだった。
「美雨!大丈夫?」
「うん……だ、大丈夫……」
向かいに居た陽向が側にきて、美雨を支えた。
「美雨、どうした?」
頬をほんのり赤く染め、ふわふわしている美雨を見て心配そうな顔した。
「ごめん…美雨が間違えてお酒飲んじゃったみたい」
咲良が申し訳なさそうに陽向に言う。
「そっか。大丈夫、連れて帰るから」
そう言うと、陽向は美雨に声をかける。
「美雨、帰ろう」
「陽向…」
連れていこうとする陽向に、智也先輩が「僕がいたのに気が付かなくて、申し訳ない。僕が送って行くよ」
陽向は智也先輩に低く冷静な声でハッキリと
「美雨は俺が送って行きます」
智也先輩に有無も言わせないような、撃ち抜くような鋭い視線で一瞥した。
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