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  陽向は、シャワーを浴びて部屋に入ると、ベットに沈むように横たわる。  腕で目を覆うと深く息を吸い、ゆっくりと、息を吐き出した。  これまでの事や今日の親睦会の事を思い返す。  小さい頃は、悲しかったり、怖かったりするとすぐに泣いてしまう美雨を守ってあげたい。キラキラと瞳を輝かせ、よく笑っている美雨の側にいたい。美雨もいつも俺の側にいたから、お互いに同じ気持ちなんだと思い込んでいた。  高校に入った頃、俺は幼なじみという、友達よりちょっと距離が近い関係より、もっと距離が近い関係になりたいと思っていた。  美雨が陽向と幼なじみで良かった。ずっと一緒にいれたらいいね。  ずっと一緒に……  そんな風に言うから、俺は付き合おうか?勇気を出して聞いた。 「ううん、付き合うのはダメ……」 「もし、別れたら友達にも幼なじみにも戻れないと思うから」 「幼なじみのままがいい……」  美雨に、そう言われて自分の気持ちを心の奥底に閉じ込め、幼なじみの関係のまま、今に至る。  これも美雨が好き過ぎるから、仕方ない。  募る想いを焦がし続けている自分がいた。
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