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1、涼しさを求めて
あたしは暑い夏が苦手だ。
風物詩は好きなのだけど。
蒸し暑さだけは昔からダメだった。
小さい頃は冷たい物を食べ過ぎたり夏バテでよく寝込んでいた程だ。
今も団扇で必死に頭や顔を扇ぐ。
ダラダラと汗が出る。
ああ、嫌だわ。
仕方がないからスマホやお財布を片手に暑い中ではあったが。
外に出た。
ジイワジイワと鳴く蝉に焦げつきそうなくらいに照らしつける太陽。
熱されたアスファルトの道路からは蜃気楼が出ていて。
空は真っ青で積乱雲がモクモクと出ている。
あたしは顔をしかめながらもサンダルを履いた足を進ませた。
てくてくとしばらく歩いていたら。
目当ての場所が見えてきた。
近所のカフェだ。
中には入らずに近くにある自動販売機へ歩み寄った。
お財布から百円硬貨を出した。
差込口にチャリンと入れたら。
一番欲しかったアイスコーヒーのボタンを押す。
ガコンッとペットボトルに入ったアイスコーヒーが出てくる。
取り出し口から出す。
ルンルン気分でペットボトルを片手に持って家路を辿る。
我が家に着いたら。
クーラーがよく効いた部屋でアイスコーヒーをごくごくと飲んだ。
凄く生き返ったような心地がした瞬間だった。
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