2、夏の太陽

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2、夏の太陽

 僕は夏の太陽は嫌いだった。    熱くて焦げつきそうなのが特にね。  けれど。  高校生になった時に海水浴に友達と行ったんだ。  友達は夏が好きという変わった奴で。  そいつが言ってくれた。 「そんなに夏の太陽が嫌いなのかよ。けどな。お日様の光ってのは平等にあるもんだろ」  その言葉がストンと心に落ちてきた。  ああ、そうだよな。  お日様を嫌ったって仕方ないよなと。  単純かもしれない。  でも言ってくれた奴には今も感謝している。  お日様、まあこれからもよろしく頼むよ。  空を見上げながら胸中で呟いたら。  お日様がにっこりと笑ったような気がした。  答えてくれたのかな。  そう思いながら真夏の暑い中、アスファルトの道路を歩いたのだった。
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