6、珈琲の湯気は揺蕩(たゆた)う

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6、珈琲の湯気は揺蕩(たゆた)う

 自宅にてドリップコーヒーを淹れてみた。  最初は少量のお湯で蒸らした。  次にお湯を注いでコーヒーのエキスをカップに溜めていく。  二、三回したらお砂糖を入れてティースプーンでくるくると混ぜる。  室内にふわりとコーヒー特有の芳香が部屋の中に満ちた。  ちょっと冷ましてから一口飲む。  口内にじんわりと少しの苦味と香しさ、甘味が広がった。  美味しいなと素直に思う。  二口目と飲みながら音楽を聴いた。  今日はヴァイオリンの気分かな。  カセットテープの棚からヴァイオリン奏者の名前を探す。  見つけたら出してテープのケースを開けた。  出してラジカセにセットする。  再生ボタンを押したらカチリとスイッチが入った。  ヴァイオリンの優雅な調べが耳に届く。  コーヒーをゆったり飲みながら聴くクラシックは格別で。  しばらくは楽しんだのだった。
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