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秘密
私には今まで家族にしか言えなかった秘密がある。
実は私と私の母と母の母と母の母の母には普通は
見えない霊がたまに見える時がある。
母方の親戚はたまに霊が見える人が生まれるらしい。でも、毎回ではなくたまに見えるのだ。
私が初めて霊と言うものを見たのはまだ私が小学校四年の時だった。
その日私は、学校から帰宅して古いアパートの
ドアを鍵で開けようとしていた時の事だった。
私の家はアパートの一階だった。
一階の一号室の部屋で周りは弊で囲まれている薄暗いアパートだった。
家族は四人で弟の仮名「笠倉重夫」と私仮名「笠倉ひろみ」父仮名「笠倉重樹」母仮名「笠倉君」で 住んでいた。六畳と四畳半の和室と狭くて小さなキッチンとトイレがあった。
お風呂は外でひと家族が入ったら次の家族と言うように札をひっくり返してお風呂に入っていた。
お風呂掃除当番も順番に当番がきた家族が一番に掃除をして当番の家族から順番に入っていった。
アパートの人達はとてもいい人ばかりで、小学生の子供がたくさん住んでいたので私は遊ぶ友達にも困ることはなかった。
そんなある日の事だった。私が霊というものを見たのは~。
その日、学校から帰ってドアの鍵を開けようとした時、うちの前で縄跳びをしている小学校低学年くらいの女の子を見た。
うちのアパートや近所の子達は皆仲がよかったのでみんなの名前も学年も私は知っていた。
でも、この縄跳びをしている子は一度も見たことがなかった。
誰だろう?私はなんとなくその子が気になった。
その次の日もその次の日もその子はうちの玄関の前で縄跳びをしていた。
そして一番不思議な事はだんだんアパートのドアの側に近付いて来ているのだ。
そしてその子がアパートの前で縄跳びをしたのを
私が見てから四日目の事。その日もいつものように学校から帰宅した。
その日はなんと私の家のドアの目の前で縄跳びをしていたのだ。
私は「どいて、家に入りたいから」とその子に言った。
その子は縄跳びを止めてドアの横に移動しました。
私は「見かけない子ね?縄跳び好きなの?」そう訪ねましたが頷いただけでその子は何も言いませんでした。
私は不信に思いながらもドアを鍵で開けようとしました。ところがドアが開かないのです。
まるでドアが重い鉄のドアに変わってしまったように異常にドアが重たかったのです。
それを見た私の家のドアの横に黙って立っている
小学校低学年くらいの女の子は急に笑いだしました。「ケラケラ……ケラケラ」と、私は怖くなって「帰って!」そう言いました。女の子は
「やっぱりお姉ちゃん私の事見えるんだね。
私を見つけてほしかったんだ~」そう言って
その女の子は消えていきました。
そして家のドアも急に軽くなって家の中に入る事が
できました。
あの少女はなんだったんでしょうか?
きっと誰かに声を掛けてもらって遊びたかったのかもしれません。
今でも不思議な経験です。
一話完
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