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部活の帰り道
あれは私がまだ中学一年生の時の事でした。
あの時は試合も近いということで遅くまで練習をしていました。
当時の部活は顧問の先生が延長を警備員さんにお願いすれば放課後19時30まで延長して練習できる学校でした。
私が入部していたバレーボール部はいつも顧問の先生が延長を警備員さんにお願いしていました。
私は友人と「また、延長?他の運動部は18時に帰宅の準備しているのに」と話していました。
私達は一年生なので19時30分まで延長するとボールを一つ一つ吹いて体育館ならモップをかける作業をしてから帰らなくてはなりませんでした。
なので、一年生の帰宅は20時です。
私と友人仮名「ゆり」ちゃんは学校の門をくたくたになりながら出ました。
ゆりちゃんと私は一番家が近いのでいつも一緒に帰っていました。
いつものように暗くなった道を歩いていると
一メートルくらい先に不信な車を見かけました。
「どうしたんだろう?あの車?」
私とゆりちゃんが見たその車は白い車で今の時代
じゃないテレビで見た一昔前の車でした。
私達が不信に思ったのはその車が何度もクラクションを鳴らして進んだりバックしたりずっとその場所で同じことをしているのです。
私は「車庫に入れないのかな?」
ゆりちゃんは「免許取り立てとか?」
とそんな話をしていました。
車があったその場所は三件の家が右に並んでいるのです。手前の家の車庫に入れなくて進んだりバックしたりしていても不思議ではありませんでした。
私とゆりちゃんはその前方に見える車の横を通って歩いて帰らなければなりませんでした。
私達が歩いて行くとその車はまだ前進とバックを
同じ場所でやっていました。私達が通り過ぎようとした時その車は「プープー」とクラクションを鳴らしました。
私達は横を見ました。今、車の横を通り過ぎようとしていたばかりです。
ところが……
私とゆりちゃんは横を見て驚きました。
まず、話したのはゆりちゃんのほうです。
「ひろみちゃん今さ~私達、横にある車を通り過ぎようとしたんだよね?」
私も「クラクションいきなりプープーと鳴らしたから振り向いたんだ~」
ゆりちゃんは「じゃあ何で?車がないの?」
私も「一番手前の家の車庫に入ろうとしていたように見えたけど手前の家の車庫鍵がかかって開いてないみたいだよ。隣の家も隣の家も三軒とも車庫が開いてないよ」
ゆりちゃんは「この三軒の家の先は行き止まりだよね?じゃあ私達の見た車は?」
私も「時代遅れの車だったしね~」
私とゆりちゃんは二人で「キャー」と叫んで物凄い勢いで走って帰りました。
部活でくたくただったのにあんなに走る力が残っていたのか?と驚きました。
六話完
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