わたしと妹

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わたしと妹

朝七時三十分に枕元の目覚まし時計がジリジリンジリジリンと鳴った。けれど、わたしは、眠たくて目覚まし時計を消してもう一度眠ろうとした。 その時、ふと、机の上に置かれている花瓶に生けられた真っ赤な薔薇の花が視界に入った。 「……あ、あの薔薇は」 わたしは思わず声に出してしまった。 そうだ、あれはもふもふウサギさんから受け取った一輪の真っ赤な薔薇の花だ。 あれは夢じゃなかったんだ。わたしはもふもふウサギの大きな黒い目を思い出した。果たして受け取って良かったのかなと考えていると、階下から「沙和奈(さわな)起きなさい~」とお母さんの声が聞こえてきた。 うるさいなと思いながらお布団の中でごろごろしていると、 「沙和奈、寝てるの起きなさ~い! 起きないと学校に遅れるわよ」 お母さんの甲高い声がまた階下から聞こえてきた。 「起きているよ~」 わたしは返事をして渋々布団から出る。 居間に行くとパンの香ばしい香りがふわふわと漂っていた。
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