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「沙和奈お姉ちゃん、おはよう」
妹の真紀奈が背筋をぴーんと伸ばし食卓の席に座っていた。
「おはよう~真紀奈」
わたしは朝の挨拶をして席に着いた。
「おはよう、沙和奈。いつも起きてくるのが遅いわよ」
お母さんはブツブツ文句を言いながら湯気の立った紅茶とこんがり焼けたトーストにそれからサラダをわたしの目の前に置いた。
「おはよう、お母さん。だって、眠いんだもん」
わたしは眠たい目を擦った。
そして、トーストの上にバターをのせバターナイフで塗りはちみつをたっぷりかけた。
「眠いんだもんじゃないわよ。夜寝ないでいつまでも起きているからよ。真紀奈を見習いなさい」
毎朝聞くこの台詞にうんざりする。
「はいはい」
わたしは、トーストをかじりながら返事をした。
「真紀奈は早起きなのにね。同じ姉妹なのにこうも違うのかしらね。しかも、沙和奈はお姉ちゃんなのにね」
真紀奈と比べないでよ。お姉ちゃんだからって何よ。わたしは、イライラしながらトーストを食べた。
ちらりと真紀奈に視線を向けるとクスッと笑っているように見えた。
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