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「あ、引っ越しのゴミだね」
「うん、引っ越しの準備をしていると懐かしい物や着ない服とか出てくるね」
真紀奈はそう言って笑った。
「うん、真紀奈と交換したマンガの付録とかたくさん出てきて懐かしかったな」
「そうそう、わたしも沙和奈お姉ちゃんと交換した付録あったよ~懐かしいなと思った」
そう言ってニコニコ笑った真紀奈の顔は幼かった頃のあどけない顔に戻ったように見えた。
「わたし達はまだ、高校生だけどなんだか幼い日が遠く感じるね」
「……そうかもね」
生き生きしていた真紀奈の表情がシュルシュルと萎みその表情から明るさが消えた。
「真紀奈……」
「あ、別になんでもないよ。さてと、ゴミを捨てにいかなきゃ」
真紀奈は笑った。だけど、その笑顔の奥に暗い影が見えた。そんな気がした……。
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