物置の中には……

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物置の中には……

真紀奈は家の中にあるゴミの置き場所に向かい、わたしは、外にある物置へと向かった。 庭の片隅に大型の小屋みたいな物置がある。その中にはおもちゃ等いろいろ入っているはずだ。 もうずっと、この物置の存在をわたしは忘れていた。 わたしは、物置の引き戸に手をかけようとした。すると、寒気に襲われ全身にブツブツと鳥肌が立つ。 気のせいかなと思うのだけど、不安が強くなる。どうしてなのだろうか? わたしは、不安な気持ちのまま引き戸をガラガラと開けた。入るとひんやりとした湿った空気が漂っていた。カビの臭いだろうか。 物置の中はなんだか薄気味悪くてゾクゾクした。 中には机や掃除道具、園芸用品におもちゃ等が置かれていた。 早く物置の掃除を終わらせて脱出したい。わたしは、ゴミ袋を広げおもちゃ等が置かれている棚の前に立った。 そこには懐かしい空気となんとも言えない嫌な空気が混ざり合っていた。
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