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「えっ? ウサギのぬいぐるみが血を流しているなんて変なこと言わないでよ」
真紀奈はクスクス笑った。
「真紀奈は見てないから笑っていられるんだよ。よく見てみなさいよ!」
真紀奈の人を馬鹿にしたような笑顔にわたしはムッとした。
わたしは恐怖に震えながらもあのウサギのぬいぐるみに近づいた。
そして、床に転がっているウサギのぬいぐるみを手に取りその顔を見た。
「えっ? どうして血が流れていないの?」
そんなはずはない。ポタポタと真っ赤な血が流れていたではないか。
「沙和奈お姉ちゃん、どうしたの? 血なんて流れていないでしょ」
真紀奈はそう言いながらこちらに向かって歩いてきた。
「さ、さっきは目から血を流していたんだから!」
わたしは、振り向き叫んだ。
「もう沙和奈お姉ちゃんってば~」と言いながら真紀奈はわたしの手にしているぬいぐるみを覗き込んだ。
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