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「え? 棚の上から落っこちてきたよ」
「……棚の上から落っこちてきたんだ」
真紀奈は真っ青な顔をしてわなわなと震えている。
「ねえ、具合悪いの?」
わたしは心配になり真紀奈の顔を覗き込んだ。
「ううん、大丈夫だよ」
真紀奈は顔を上げて笑顔を作った。けれど、やっぱり顔色が悪かった。
そして、何やら低い声でブツブツ呟いている。「……そんなはずはない」と言っているようだ。
「ねえ、真紀奈、この物置なんだか気味が悪いから出ようか」
わたしは、ブツブツ呟く真紀奈の腕を引っ張った。
「そうだね」
真紀奈がそう答えたその時、物置がガタガタと揺れた。
「わっ、地震かな!?」
「な、何だろう!?」
物置はガタガタガタガタと揺れている。
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