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『許さないから』
女の子の低くて恨みのこもった声が聞こえてきた。
「嘘でしょ。助けて!」
真紀奈の声は怯えきっている。
「だ、誰なの?」
わたしも驚きの声を上げた。この声をどこかで聞いたことがある。
だけど、思い出せそうで思い出せない。
『真紀奈お姉ちゃん、許さないからね! わたしは恨んでいるよ』
真紀奈のことをお姉ちゃんと呼んでいる。
「……」
真紀奈は青ざめて突っ立っている。
『沙和奈お姉ちゃんもどうしてわたしのことを忘れたの?』
その声は悲しみに震えたような声だった。
あなたは誰なのかな?
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