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「許してよ、わたし利香奈が羨ましかったんだよ」
真紀奈は唇を噛みしめながら言った。
『わたしがどうして?』
「だって、利香奈は末っ子でただ微笑むだけでお父さんとお母さんから愛されていた」
真紀奈は唇を強く噛んだ。
「わたしは、姉妹の真ん中で努力をしないと親から認められない。勉強だって頑張ったよ。最初は褒めてくれたよ。でも、わたしがテストで良い点数を取ることは当たり前のことになった」
真紀奈の強く噛んだ唇から血が流れた。
『それで、真紀奈お姉ちゃんはわたしを呪い殺したの?』
利香奈の声は悲しみに満ち溢れていた。
「うん、そうだよ」
そんなのあんまりだ。悲しすぎるよ。
『わたしは、真紀奈お姉ちゃんが好きだったのに。ぬいぐるみでごっこ遊びも楽しかった』
ぽわんと宙を浮くウサギのぬいぐるみの目から真っ赤な血の涙が流れた。
真紀奈は泣き崩れた。
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