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全てを思い出した。真紀奈が利香奈を殺した。でも、あれは呪いだったのだろうか。
わたし達三人姉妹はいつもウサギのぬいぐるみでごっこ遊びをしていた。
利香奈がころころ笑うとわたしは癒された。末っ子の利香奈が可愛くて仕方がなかった。もちろん幼い頃は真紀奈のことも好きだった。
「ねえ、真紀奈、『呪われた薔薇の花とわたし』に描かれていたことを実行したの?」
わたしは、泣き崩れている真紀奈に聞いた。
「うん、あの漫画に描かれていた通りにしたよ。利香奈のウサギに真っ赤な薔薇の花を持たせてどうか利香奈を呪い殺してくださいって祈ったよ」
真紀奈は顔を上げて答えた。
「それから木にウサギのぬいぐるみを恨みを込めて釘で打ち付けた」
真紀奈の唇から血がたらりと垂れて鮮やかで不気味だけど綺麗だった。
「それであの日」
『わたしのウサギのぬいぐるみが木に打ち付けられていたから取り外そうとしたの。真紀奈お姉ちゃんは取り外すなって凄い剣幕で怒ったよね』
利香奈の声はとても悲しそうだ。
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