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あの日の姉妹
わたしがあの日見た光景は神社の崖の上にある木の前で真紀奈と利香奈が言い争っていた。
『お~い、真紀奈、利香奈』と声をかけようとしたのだけどただならぬ空気が流れていたので声をかけるのをやめた。
利香奈が何やら泣き叫び真紀奈が怒鳴っていた。わたしは、喧嘩が終わるのを待つか止めにいくか迷っていた。
その時、真紀奈が利香奈の背中を押したように見えた。
『ぎゃー!!』
利香奈の叫び声とウサギのぬいぐるみがぽわんと宙に浮いたのを見たことを覚えている。
『利香奈~』
わたしは、叫んだ。
『り、利香奈』
真紀奈も叫んでいる。
わたしは、二人のいる木の前まで全速力で走った。身体中の力が抜けてしまいそうだけどめいっぱい走った。
そして、息を切らし木の前に辿り着いたわたしは、崖の上から下を見下ろした。
すると。そこには。
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