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が。
ジャナフ曰く、あれは「マズイんじゃないの〜?」との事。
確かに。後から冷静に考えれば、俺があんな約束を蓮葉と交わした事を知ったら、レノアはどう思うのだろうか?
やらかしたか?
と、思いつつも、今更取り消す事は出来ないし……。いや、取り消す必要もないと思った。
「……いや。
今はまだ、考える必要はないさ」
何故なら、まだ、今の俺はそんな事を考えて、答えを出せるレベルの男じゃない。
今のままじゃ、レノアも蓮葉も、どちらも高嶺の花で俺がどうこう出来る相手じゃないんだ。
だから、今はただ、自分の目標が最優先。
「今は目の前の下剋上を一つ一つ熟していく。全てはそれからだ」
俺がそう言うと、ジャナフは「そっか!」と歯を見せて笑った。
港街に戻って来て、新たな気持ちで下剋上に向けての再出発。
俺自身、何の問題も不安もなく歩き出そうとしていた。
けれど。
俺の周りでは、少しずつ、少しずつ……。変わり始めている事があった。
俺の気付かないところで、着実に……、……。
ピコーン、ピコーン!ピコーン、ピコーン!
それは、港街に足を踏み入れ、ジャナフと共に隠れ家に戻る途中の事。
ポケットに入れていたポケ電が鳴り、俺は取り出すと着信相手を確認する。
「!……え?母さん?」
画面に表示された着信相手は母のアカリ。
それは、俺の家族内である事件が起こった事を告げる連絡だった。
……
…………。
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