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◆刀光剣影(とうこうけんえい)!!『菅原凛』と『凛道蓮』の文化祭!!◆
文化祭を間近に控えていたその日、ついにクラスでの出し物の準備が終わった。
私、菅原凛のクラス、1年B組の出し物は、『お菓子釣りゲーム』だった。
制限時間3分で、タコ糸に磁石つけてお菓子を釣るゲームだ。
教室内を縁日のようにするための小道具を1人で作らされた。
お菓子釣りゲームで用意した駄菓子などの小さいお菓子に得点シールを貼った。
この得点が多い人が勝ちになり、景品をプレゼントする仕組みにしていた。
もちろん、釣り上げたお菓子も釣った人の物になる。
お菓子類には、サイズに合わせて、大・中・小の磁石のクリップを使い分けて付けた。
作業は単純だけど、クリップをつけるお菓子が大量にあった。
積まれた段ボールを見た時は、めまいがした。
文化祭の出し物をするための費用は、基本、公平に分配される。
ただし、各クラスにはスポンサーの立場の生徒がいて、その子が足りない費用の自腹を切っていた。
私のクラスは、渕上ルノアが、足りないお金を補充する係だった。
お金を持っているので、力が強かった。
同時に、いじめも実行された。
「釣りえさのお菓子が、これだけじゃ足りなくなるよねー?」
「足りない、足りない!」
「渕上さん、追加してもいい?」
「いいよ。お金ならいくらでも出す。」
「やったぁ!これでエサには困らないね!」
「しっかり作れよ、菅原さん!?」
「っ~!!」
(この野郎!!)
私が、用意されたお菓子にクリップをつけ終わったタイミングで、新たなエサ用のお菓子を追加された。
それでまたエサを作らせるといういじめ行為を、3回もやらされた。
エサを作ってばかりもいられないので、同時進行でタコ糸に磁石をつける作業もした。
つけなくてもよさそうなのに、釣ったお菓子を入れるカゴのデコレーションもさせられた。
一番大変だったデコレーションは、クリップのついたお菓子たちを入れる巨大な水槽の箱に貼っていくことだった。
しかもその水槽は、いじめっ子共が設計したもの。
作っている途中で、チェックが入り、デコり具合が悪いとか、高さが足りないから足せとか、文句を言われて腹が立った。
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