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「だったらなんで、暴走族の総長をしてるわけ?」
「い、いろいろありまして!」
「そうですわよ!人には事情がございますから、深く聞いてはいけませんわ、涼花ちゃん!」
言い訳に苦しむ私に、桐壺先輩が救いの手を差し伸べてくれた。
「ああ!!?聖歌!!なんだ、その言い方は!!?」
ところが、これに赤毛の美形が過剰に反応する。
「まるで、ジャック・フロストが龍星軍の総長してる理由を知ってるみたいな言い方じゃねぇか!!?知ってんのか、コラ!?」
「え!?い、いえ、知りません・・・。」
「嘘つくなよコラ!!俺以外の男と、秘密持つとかふざけんなよ!!!どうなんだ!!?」
「も、黙秘します!!」
「ああんー!!?ジャック・フロストこの野郎!!俺の女にちょっかいかけたのか!!?」
「かけてません!!というか、束縛する男は嫌われますよ!!」
「そ、そうですわ!!束縛するしつこい颯真さんは、嫌いになりますわ!!」
「ぐっ!!?」
桐壺先輩の言葉に、明らかに目に見えるダメージを受ける東久邇さん。
「わたくしと、凛道様の間には、やましいことはございません!信じて下さるなら、これ以上のことをわたくしに、お聞きにならないで下さい、颯真さん!!」
「ぐおおお・・・!!」
真剣な表情で言う桐壺先輩に、絞り出すような声で東久邇さんは言った。
「・・・聖歌・・・!!!オメーを、信じる・・・!!!」
「本当ですか!?嬉しいです!」
その言葉取りの表情で言うと、ギュと東久邇さんに抱き着く桐壺先輩。
これに東久邇さんは、グイと桐壺先輩を抱き寄せながらつぶやく。
「聖歌には・・・・・聞かねぇ・・・・・!!
「わたくしを、信じて下さるのですね!?わたくしも、颯真さんを信じておりますわ!」
「ああ、信じてる・・・・・!!俺達は信頼しあってんだ、ジャック・フロスト!!わかるよな・・・!!?」
「え?え、ええ・・・わかりますが・・・」
「だったら!!!聖歌と俺の信頼を守るためにも、オメーの口から秘密を話せ!!!」
「そうきましたかぁー!!?」
〔★颯真は一枚上手だった★〕
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