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仕事仲間
「はっ!さーて、寮は一体どんな部屋か……な………」
大知は動揺した。部屋が予想以上に豪華だったのもあるが、何よりそう、寮はシェアルームだった。
「お…まだ来るんだ。よろしく、新入り。」
「てめえも新入りだろうが!」
どうやら2人は大知より少し先に寮に来ていたようだ。
「はえー。寮ってシェアルームなんですね。」
「そうみたいだよ。俺はルート・ダキャ。明日からよろしく。」
「ええ。よろしくおねがいします。ちなみに私の名は藤岡大知と申します。」
「そんなかしこまらなくても良いって。俺、そういうの嫌いだから。」
「ああ、そうか。よろしく、ルート君。」
「おう!」
まだ若いであろうルート、その男は、声がまだ「生きていた」。自分に自信があって、未来に希望がある。自分がもうとっくに忘れてしまった感情を、ルートは、きっと持っていたのだろう。
「俺もルート君みたいな頃があったのかな…」
「何だよ、おっさんみたいな事言って。」
「実は、もう俺38のおっちゃんな。」
「だはは!嘘だろ!クソジジイじゃねえか!」
話に割り込んで来た、小悪魔の様なアバターをしたその娘の名は、イリムア・マリア。わがままな性格の、見た目通りの問題児である。
「んな…!君、ちょっと失礼なんじゃないか…!」
「だって本当にクソジジイだもん〜♪てか、何だよその格好!ダハハ!」
「ッフ…お前失礼だろ…w」
「……」
マリンよりか少しは真面目だと思っていたルートまでもが笑ったんだから、大知は少しショックを受けた。だがよく考えれば、そりゃそうだ。いい年した大人が子供向け番組のヒーローの格好をしてるのだ。しかもパラガスマンとか言うその年代の人でも知ってる人が少ない超ドマイナー作品だぞ?!軽蔑しないで笑ってくれるんだからまだマシなのかも知れない…
「やっぱこんなアバターにしなけりゃ良かった〜〜!!」
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