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「じゃあ、俺行くわ。またね、山田と東雲君」
そう言って成島君は僕をチラッと見ると、レジへと向かった。その後ろ姿さえ様になっていて見惚れた。
チッと舌打ちの音が隣から聞こえた。
「相変わらずかっこいいねぇ成島は」
「僻み?」
「うるせぇ。てかお前、成島の事見過ぎ」
山田に言われて顔が赤くなる。
それと同時に心臓の焦げが広がっている気がした。
ちょっと格好良かったから見ただけ。
見栄えが良かったから。
それだけ。それ以外はない。
山田が僕にお節介な情報を流した。
「あいつ女遊びすげーから気をつけろよ」
ドキッとした。
体が一瞬震えて心拍数が上がる。
何でそんな忠告するんだよ。
僕は男なのに。
もしかして山田…気づいてる?
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