山田の友達の東雲君のままでよかったのにな。

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勢いよくドアを開けると、そこには背の高い成島君がいた。 意味が分からず口を開け呆然とする僕に成島君は笑いながら手を振る。あの時と同じ笑窪ができていた。 「えー!何で君がいるの⁉︎君山田の友達だよね⁉︎」 驚きながらもどこか余裕そうな成島君は、僕の名前を忘れている様子だった。 僕は口を開けたまま頷く。 「俺このアパートに引っ越してきたからさ、挨拶に回ってたのよ。嘘だろ。こんな偶然あんのかよ」 そう言って成島君はTシャツの胸ポケットからタバコの箱を取り出した。銘柄はセブンスターだった。 タバコを一本取り出し口に咥え先端に火をつける。 赤く焦げたタバコの先端からは細い煙が立ち上がった。 「久々だね。元気してた?」 「う、うん。君は?」 「元気してたよー。まぁ、色々あって逃げてきたんだけどね柏に」 白い煙を吐き出しながら意味深な発言をした成島君。 僕はタバコの苦い煙の向こうにいる成島君に聞いた。 「何があったの?」
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