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山口優也1
最後の退職者「木村桃子」から竹田は話を聞いた。
「木村桃子」の話に竹田は言葉を失った。
「木村桃子」は言った。
「「山口優矢」は恐ろしい人よ。
私の額を見て「山口優矢」にやられたの。
山口の今いる場所は刑務所よ」
刑務所からもう出てくる事はないわ。あいつは~」
「木村さん。会社辞めたんなら早く会社から出て行ってくれ。仕事の邪魔だ。竹田先輩仕事が残ってますよ。早く第三営業部に戻って仕事をしてください」
木村桃子は急いで会社を出て行った。
竹田は聞いた。
「山内君、貴方誰?本当に山内君なの?」
山内は「嫌だな~私は、山内悟志ですよ。何も変わっていませんよ。」
竹田は「「山口優矢」の事は知ってる?」
と山内に聞いた。
「誰ですか?そんな人知りませんよ。」
そう言った。
竹田はさらに話を進めた。
「あなたおかしいわ?三ヶ月前は太ってた
はずよね?なのに今は標準的な体型。
それに髪型まで変えている。
今木村さんから写真を預かったわ。
よく見て今の貴方は山口優矢に似てると思わない?あなたは、山口優矢に身体を乗っ取られてる
可能性があるのよ。それでもいいの?」
竹田は聞いたが
「それでもいいです。私は三ヶ月前竹田先輩の御客様資料をパソコンに入力しようとしました。
先輩達は入力する前に「どうせ入力無理。あいつは駄目」そう言って馬鹿にしてきたんです。
ところが椅子に座ってパソコンを開いて資料を見ると勝手に指が動き始めて、すごい速さで入力でき
たんです。
私は森先輩の分まで仕事をこなすようになって、
あっという間に出世コースですよ。
このまま私は出世コースに乗って社長の隣の位置につく予定ですので、邪魔しないでくださいよ先輩」
竹田は言った。
「山内君「山口優矢」は犯罪者で刑務所にいるそうよ。もしかしたら貴方も犯罪者になるかもしれない。
山内は「そんなはずない!いい加減な事を言うな!」
「とにかく仕事に戻れ」
そう言って走り去って行った。
「私も戻ろうとした時、社長が来た。
竹田さんが、山口優矢の事を調べていると聞いてね来たんだよ。さっきニュースでみたんだが、
山口優矢は、三ヶ月前に刑務所でも気が狂って自殺したそうだよ。凶悪犯だから伏せていたようだよ」
竹田は「凶悪犯?」
「そんな酷い犯罪を犯したんですか?」
社長は「そこまで調べてなかったのか?聞かなかった事にしてくれ。私も最近山内君が山口優矢に似てきた事を心配してたんだ。」
竹田は「犯罪ってなんなんですか?」
社長は、そうとう話したくなかったようで逃げるように走り去って行った。
それから第三営業部は忙しくなり、資料室にも
行かれないままになっていった。
山内はどんどん出世していった。
だが、社長は山内をナンバー2にはさせなかった。
それでも、山内はナンバー3の座を獲得していった。
「何も起きない平和な会社。私の思い込みだったのだろうか?」そう竹田は思っていた。
そんな時、竹田は九州の営業部に移動になった。
「何も起きなかった。これからも大丈夫みたいね」
竹田はみんなに挨拶をして九州に向かった。
これが、会社の歯車が完全に壊れる前触れだとは
誰も知らなかった。
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