東京本社

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私と森先輩は「夕暮れ」が閉店までお店のテレビを見ていた。 閉店後、私は森先輩が「送って行くよ。」 そう言ってくれたのに竹田は 「自分で帰れます近くなんで」 そう言って断り一人で社員寮に戻って行った。 竹田は一人で考えたかった。 「あのテレビの放送は本当なんだろうか?」 そんな事を考えながら、夜も遅いので眠りについた。 次の朝、九州支店に電話をかけた。 すると、上司が携帯に出てこう言った。 「あんな事があったから一ヶ月会社を閉めるように東京本社から言われたんだ。 もちろん給料は振り込むよ」 そう言われた私は、「分かりました」 そう言い、 疲れたせいもあって3日間横になってばかりいた。 東京本社にも電話したがやはり、会社を閉めているので、電話に出る社員はいなかった。 私は本社の事が心配だった。 「そうだ。森先輩に携帯で連絡して森先輩と本社に行ってみよう。明日は週末だし、森先輩なら力になってくれるかもしれない。 それに、何かあったら連絡してこいよ。って言ってたし」 私は森先輩の携帯に電話を掛けた。 だが、携帯から流れてきた音声は 「この電話番号は現在使われてません」 というものだった。 何度かけても同じだった。 「これはどう言う事?何で?携帯を新しくしたのかな?」私はもしかしたら何かあったのかと思い 森先輩の実家の「オフィスデリ」に向かった。 森先輩のお父さんらしき人が出てきた。 「友希の事で来たのか?友希はずっと帰って来てないよ。東京本社で勤務してるんじゃなかったのかい?私はそう聞いてるけど?」 「森先輩は実家を手伝うって言って東京本社を辞めたんですよ。この前、ばったり会って実家を手伝ってるって、営業やってるんじゃないんですか?」 「うちには全く帰って来ないし、連絡すらして来ないよ。 そう言えば、少し前「木村桃子」さんていう警察の方が友希の事を聞きに来たよ。」 私は社員旅行の時に撮った写真を見せた。 「もしかして木村桃子さんてこの人ですか?」 森のお父さんは 「そうだが、あいつ何かしたのかな?」 そう心配しているお父さんに私は 「私も何がなんだか分かりませんと答えた」 それでは失礼します。そう言って森の父親の側を 離れた。 竹田はとりあえず、会社は閉まっているから電話が繋がらない。何か分かるかもしれないからと「夕暮れ」に向かった。 ところが「夕暮れ」閉店と書いてあった。 「何で?何で?あんなに人気でいつもお客さんで いっぱいだったのに、何で?」 私は驚いた。 シャッターを綺麗に拭いている男の人に声をかけた 「従業員の方ですか?「夕暮れ」は閉店したんですか?あんなに人気店だったのに、残念です」 そう話すと男の人は答えた。 「あーここは、テレビドラマのロケのための施設だよ。今回は「夕暮れ」って言う名前の飲食店をつくってほしいって言われてね エキストラも大勢来てたんだよ。テレビに犯罪の生放送っていう作り物まで流して、警察のドラマだって聞いてたよ。」 「え!ドラマ!」私は驚いた。 私は何が何だか全く分からなかった。 「森先輩は何で嘘をついたのだろう?」 「木村桃子先輩が警察官?」 あれから明日で一ヶ月、会社は閉まったままだった 「明日で一ヶ月か、今日東京本社に電話をかけてみよう」私は東京本社に電話をかけた。 社長が出た。 「社長ご無事だったんですか? テレビの特番を見て心配だったんですよ」 「済まない。敵をあざむくにはまずは、味方からって言うだろう。人質取って「山口優矢」の事件と同じなんて作り物の録画を流してもらっただけだからな。警察に口止めされててね。 犯人が捕まるまでは言ってはいけないと 明日新聞に詳しく載るから載ってからじゃないと話せないんだよ。」 「明日朝刊読んだらまた電話くれ。」 それから君には、「東京本社の第三営業部のリーダーになってもらうよ。戻ってきてくれ。九州支店にも話してあるから。」 「社長?どういう事ですか?」 「社長?」私は何度も聞いたが、社長は明日の朝刊までは、何も言えないと言って電話を切った。 「私は犯人って?誰?まさか犯人って?何の犯罪?」 私はとにかく社員寮の片付けをしておかないと いつ本社に戻ってもいいように。 私は明日全てがわかるのが、怖くて仕方がなかった。
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