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嬉しそうに手をヒラヒラさせながら去っていく会計。パタリと音を立てて扉が閉まり吏玖先輩と2人きりになってしまった。まずい、どうしよう、頭を抱えそうになる俺を急に抱きしめ首元に顔を埋めてくる。擽ったくて身じろぐ俺を押さえつけより力を強めてきた。
「奏多…好き」
「っ!!」
聞きたくなかった言葉が吏玖先輩の口から出て顔が強ばった。生徒会に惚れられるなんてそんな面倒なことこのままにしておく訳には行かない。抱きしめてくる腕からなんとか抜け出て引き剥がす。
「ちょっ、ストップ、ストップ!先輩、落ち着いて!」
「むりっ、わかんないよっ…とにかく好きなの!」
「それは分かりましたから!離れっ…んっ!?」
もう、まじで何回目だよこれ。そろそろ学習しろよ俺っ!
てか吏玖先輩も、人の許可を得てからキスしろよ!!なんて口を塞がれてる今届くはずもないことを心の中で叫んでいた。吏玖先輩のキスを受け、前のは手加減してくれてたのがすぐに分かった。舌先が暴れ回り口内をぐちゃぐちゃに溶かす。酸素もすぐに薄くなり頭がぼんやりしてくる。容赦のない口技に膝から崩れ落ちていくのもすぐのことだった。
「は、ぁっ……もっ、勘弁してくださいっ」
「奏多っ、ごめん…僕もう我慢できないっ」
「っ…!」
や、やばいこれは逃げられる気がしない。どうしよ、どうやったら止められる?前みたいに助けが来るなんてない、こんなことなら言っとくんだった。そっちの可能性が無理だとして俺が何とかしないと。でも力入んないし、どうにかどうにか。セックスしたくない人の条件は……したらダメな人の条件は……えっとええっと……あ、そうだ!
「お、俺性病持ってるんで…」
「ゴムつけるから平気」
「え?!あ、え、えっと」
まさか性病でも乗ってくるとか、手強すぎ
そうくるならもう感情に訴えかけるしかない。恥ずかしい思いはするがこの場を切り抜けられるならもうなんでもいい。
「お、俺今切れ痔なんでお尻入んないっす!」
叫ぶようにそう言った瞬間、ぶはははははっと笑い声が聞こえてきた。
「やっばい、須崎くん面白すぎっ」
「い、今のは流石にっ…面白い冗談でしたよっ」
「お前、天才だなっ」
「嘘が下手にもほどがあるよっ」
隣に居た生徒会メンバーが次々と中に入ってきて好き勝手に言ってくる。どうやらドアの隙間からこちらの様子を伺っていたらしい。
全部見られてた、キスもさっきのも初めっから全部。そう思うと一気に顔が熱くなっていき死にそうなほど恥ずかしくなった。あの人たちからしたら今の俺なんて間抜けにも程があるんだろう。バカにするような笑いが頭にこびりつき、この空間にいるのが耐えきれなくて力任せに吏玖先輩を押し退けて部屋から飛び出す。
「奏多っ!」
後ろから俺の名前を呼ぶ吏玖先輩の声が聞こえたがそれに返答できるほど俺は今余裕がなかった。
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