0:プロローグ

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 「頭、下げて!!!」  私は言われるままに、とっさに頭を下げた。  ドゴォォオォォォン!!  眩しい光とすごい大音響がした。  そして、声を発したらしい人が、私を庇うように前に立ちはだかった。  あ…  この人は、確か転入生の……  二人は、前の怪物に警戒をしながら、交互に私の方へ振り向きつつ、  「「大丈夫か?」」  心配そうに私の様子を伺ってくれた。  「あっ…」  初めて彼らをまともに見た印象は・・・  キレイ_____  今までは遠巻きで見かけるだけだった。噂では美形だとは聞いていたけど、近くで顔をよく見る機会はなかったので、間近で見たのはこれが初めてだった。  双子と聞いてはいたけれど、雰囲気は姉弟というよりは、お似合いのカップルっていうのが私の印象だった。でもどちらにせよ、びっくりするくらい美形だ!  一人は背の高い、切れ長の目のサラサラの薄茶・・・はしばみ色っていうのかな?日本人離れした髪の色と顔を持つ、ハーフっぽい男の人。だけど手の周りが赤っぽい光って、いかにも魔法?って感じのものを手にまとっている。  もう一人は、腰にまで届きそうな長い黒髪に、少し目の吊り上がったエキゾチックって言葉が似合う美人。だけど刀の様な長い剣を手に持っている。女性なのに、妙に様になっていた。  このキレイな人たちが、私を庇って前に身を乗り出してくれていた。  黒髪の女性が、「怪我はない?危ないから後ろに下がって。」  !____そうだ、思考が飛んじゃってた。それどころじゃない、  私、たった今、目の前の怪物に殺されそうになったんだから______   ハッ!!  私は目が覚めた。  慌ててベッドから上半身を起こして、顔をまさぐる。凄い汗だ。  「今のは夢??」  何だろう?怪物が出てくるとか、確かに夢なんだろうけど、だけどなぜか現実味があったような…  それにしても夢だったけど、綺麗な人達だったな……      そう、この時は夢だと思っていた。だけど、それはこれから自身の身に起こる前兆だったのだと、後になって私は理解したのだ。
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