The remaining prologue

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「ただいま〜」 「ニャ〜(お帰り〜)」  なんとか間に合った。この場合の『なんとか』は、『ハルが帰ってくる5分以上前に帰ってこれた』ということだ。窓を閉めたり、息を整えたり、爪を研いだり。 「ん。ただいま、お姉ちゃん」  それだけ言ってハルは私に思いきり抱きつき、それからとにかく私の体毛をまさぐる。  猫の私にナツの名を付けたのはハルだ。そして二人きりの時には私のことを『お姉ちゃん』と呼んでくることから、十中八九ハルは私のことを認知しているはずなのだが、いくら言っても、最初に『お姉ちゃん』とだけ言って、あとはもう何も言わずに構ってくるだけだ。体をまさぐられたり、猫じゃらしとか、またたびとか。しかしとにかく私に構ってる時のハルは女神のような笑顔をしているので、許してしまうのだ。 「そうそう、お姉ちゃんに言わなきゃいけないことがあるの」  だけれど今、『お姉ちゃん』『ハル』以外の言葉を初めてかけられた。えっ、何!? 「私…………魔法少女になる!」 「………………」  え〜〜〜〜っ!?!?!?
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