Epilogue

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 「ら、蘭ちゃんに免じて結婚は許してやる。けど、入籍するまで門限は6時!外泊なんてもっての他!!」  改めて挨拶に来た夏目さんに、こう言い放ったのだ。  おまけになぜかその席には真壁のおじいちゃんも居て、犬猿の仲のはずの父の意見に首を何度も縦に振っている始末。  「そんな…!6時って、今どき中学生でも普通に出歩いてますよ!?」  夏目さん、建設現場で厳ついオニイサン達と渡りあってるだけあって、お坊っちゃまなのにすごい。  特攻服姿の父にも、政界の古狸と呼ばれるおじいちゃん怯まず噛み付く姿に、密かにときめく。  「うるさい!お前()に挨拶もなく嫁入り前の娘と同棲なんてふざけた真似しやがって!!今回はきっちり筋通せ!!」  「あれは!お爺さんが凛のことを拉致ろうと怪しい奴を派遣してたから、緊急で止むなく…」  「でも夏目さんあの時、『お姉さんを口説きに来た』って言ってたよね!?」  そこに漣まで乱入して来て、本当に収拾がつかない事態になってしまった。  それならば、と即座に婚姻届を役場に提出しに行こうとする夏目さんの首根っこを掴んで、父がもう一撃。  「入籍は結婚式挙げてからに決まってんだろうが!!」
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