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あまりの内容に言葉を失う。
その間にすかさず壱哉がもう一言付け加えた。
「あと、この話を仁希にすることは禁止。もし言ったら仁希には籍を入れるまで絶対に彼女に合わせない」
「卑怯者!どうかしてる!!それに、私じゃ夏目家に釣り合わないって言ったのはあなたでしょう!?」
「仕方がないだろう。凛がこの間『仁希に振られたら愛人にしてもらう』なんて言うから。万が一にもそんなことされたら、夏目家と真壁家の関係が終わってしまう。だから、夏目グループのために俺が首に縄をつけてしっかり見張ってないと」
仕方ない?
首に縄??
一体どこまで人を馬鹿にすれば気がすむの。
それに、壱哉と結婚したら、夏目さんの義姉になってしまう。
夏目さんが私以外の女性と微笑み合う姿を一生近くで見続けないといけないなんて、耐えられない。
「そんなの絶対嫌…!」
「まあいい。条件を飲むか飲まないかは凛が決めて。ただし、期限は一週間。決めたらここに連絡して」
壱哉は勝手知ったる様子で引き出しからペンと紙を取り出し、見知らぬ電話番号を書いて私に押し付け、部屋を去って行った。
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