秘密

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 ずっと堪えていた涙が、頬を伝う。  そんなふうに思ってくれていたなんて、全然知らなかった。  ああ、夏目さんと、一生一緒にいたいな。  でも、ダメだ。  この願いは叶わない。  だって、私は全然なんかじゃないから。  「あり…がとうございます。私も…夏目さんのことが好きです」  「…凛」  「愛してます」  「嫌だ!言うな!!」  「だから、このまま別れてください」  今度こそ、夏目さんの温かい両腕を手放したはずだった。  いや、実際に手放したのかもしれない。  いつも私を包んでくれていた優しい腕は、強い力で私の体を床に押さえつけていた。  「やっぱり…全然届いてない。伝わってない。愛し方が足りなかった?」  ズボンとショーツの履き口を潜った夏目さんの指が、私のほとんど濡れていない秘部をなぞる。  「嫌…っ、やめて。こんなの夏目さんらしくない!」  「俺らしいって何?俺は昔から我儘で自分勝手な人間だよ。何せ夏目グループのだから」  淡々と、それでも丁寧な指遣いで一番弱い部分を擦られると、力が抜け、甘い声が漏れてしまいそうになる。  「っ…、そん…なこと、ない!」  「凛が知らないだけだ。おまけに超が付くほど嫉妬深い。今だって…!顔も名前も知らなかったからまだ我慢できてた。なのに…よりによって凛の元カレが兄貴だなんて。さっきからこの部屋でそこかしこに感じるアイツの気配で頭がおかしくなりそうなのに!!」
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