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島田正彦
優也は家の固定電話で正彦と話していた。
優也がコンピューター教室に申し込めていないんじゃないのかとわざわざ心配して正彦は優也の家に
電話を掛けてきたのだった。
優也がまだどこの教室も申し込む事が出来ていないことを知ると正彦は優也にある提案をした。
正彦が優也に話した提案はコンピューター申込書を生活の為に売りたいと言っている人からお金を出して買うと言う事だった。
正彦が言うには一万円で売ってくれる人がいると言う事だった。
優也はは自宅の近くの公園に夜そういう人達が集
まって来ることを正彦に聞くまで知らなかった。
優也はお年玉の一万円をまだ使わずに机の引き出しの奥に大切にしまっていた。
そのお金で申込書を売ってもらおう。
これ以上搾取されたらたまらない。
「正彦ありがとう。夜の22時になったら家の近くの東公園に行ってみるよ」
「頑張れよ優也」そう言って優也は受話器を置いた。後は22時になるのを待つだけだ。
優也は食事を済ませて入浴をして身支度を整えて東公園に向かった。
今まで生活に困った事がなかった優也は夜の東公園を見て驚いた。
「こ、これは~」その公園には20人くらいの人が段ボールに大きな文字で「なるべく高く買ってくださいシングルマザーなのに職場を、クビになったんです」とか
「この子に夕飯を食べさせてあげたいんです。
夕飯代をください」そう書いている母親らしい人の隣にはまだ幼い子供が泣いていた。
優也は「どうしよう~こんなにたくさんの人が~僕は誰からコンピューターの申込書を買えばいいんだろう?たくさんの人が僕の側に来る」
そしてたくさんの人の中の一人の人が優也にこう言った「申込書を買いに来たんだろう?早く選べよ」「俺のを買えよ」「いくら持ってるんだ?」
「ここは高級住宅街だから金持ってるんだろう?坊や」たくさんの人が段ボールに文字を書いたものを首にぶら下げて優也の側に近づいて来た。
優也は怖くなって「ごめんなさい」そう言って自宅まで走った。
家のベランダから東公園を見た進藤優也は驚いた。東公園には近所の近藤さん親子がいた。
そう言えば近藤さんの旦那様は一昨日事故で亡く
なったんだ
それでシングルマザーで子供を育てる為に東公園に来ているのか~。
何とかしてあげたいけどあの公園には公園の裏に
住んでいる母さんの親友の石田さんもいる。
それに近所の父さんの親友の木ノ下さんまで何で
こんなに知ってる人が集まってるんだ~?
父の親友も母の親友もこの間まで豪邸に住んで
うちよりもずっと裕福な暮らしをしていたはずなのに、シングルマザーになってもご主人が残してくれた財産とかあるはずなのに~いきなり東公園に行く何て~。
僕はいったいどうすればいいんだろう?
明日になればたぶん母さんも父さんも言うだろう
親友の方の申込書を買えと。
リモートIT法案は申込書を申請する時は一つづつしか予約出来ない決まりがあった。
抽選に通らなかった事がわかった時にまた新たに
申込書を取り寄せる決まりもあった。
僕はいったいどうすればいいのだろうか?
その時僕の部屋のドアをだれかがノックしている音が聞こえた。
「お父さんだよ」「お母さんよ」
「もう、コンピューター教室に申し込めたかしら?もし、駄目なら東公園に行って石田さんの申込書を買ってほしいのシングルマザーになってしまったし」「嫌、申し込んでないなら木ノ下さんの申込書を買ってくれないか?」
優也は両親に聞いた。
「石田さんも木ノ下さんもうちよりもずっと裕福な暮らしをしていたはず~それなのに何で?急に東公園であんな金銭的に困ってるの?シングルマザーになっても財産があるんじゃないの?」優也の両親は優也に話した。
「お前~本当に何も知らないんだな?これが国が決めたリモートIT法案の恐ろしいところだよ。
これから格差社会がもっと広がる……。
優也お金を稼いでいる大黒柱が亡くなると残った
貯金はほとんどコンピューター促進の為に国に持っていかれるんだよ。
全てコンピューター教室や申込書に使われてしま
うんだ。だから全て無料で勉強できるんだよ」
優也は「コンピューターの勉強ができる人はお金を搾取された人を土台にして生活しなければならないってこと?」
父さんと母さんは言った。
「そうだよ優也~父さんも会社クビになったんだ
このままお前も私も仕事が決まらないと貯金を搾取されて石田さんや木ノ下さんみたいに東公園に行かないとならないんだ。
だから早く申込書を買って役所で申請もらって来い。
今すぐ東公園に行きなさい。
木ノ下さんにしなさい」
「石田さんにして」
優也は「わかった。とにかく急いで東公園に行って来るよ」優也は走って東公園に行った。
そして優也が一万円で申込書を買った人物は母の友人の石田小百合だった。
父の友人は男だから何とかなると思ったのだ。
優也は一万円で買った申込書を持ってパソコン教室に明日一番で予約して役所ですぐ申請するつもり
だった。
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