俺の知ってる兄貴は二通りあった

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秋、一年の終わりかけの次期。 俺は今日も、ゲームに明け暮れていた。 「あっ、、、よし!、、行け!、、、、、、あああっ!」 ラスボスにあと一歩で負けたこの悔しさ。 イチかバチかでレアアイテム使ったのに!もう!! 「ちょっと和樹!?うるさいわよ、黙ってしなさい!」 「さーせーん。」 親に怒られた。 でもさ、ゲームしてるときに声出さないってむずくね? わかってくれる人、絶対にいると思う。 そんなことを思いながらゲーム内でアイテムの調達に向かう。 うーん… やっぱ、チームって必要かなあ。 チームっていうのは俺がハマってるゲームの中で、一緒に戦ってくれる仲間だ。 チームを組むと、みんなで稼いだアイテムを分け合うことができるし、ボス戦にももしかしたら勝てるかもしれない。 でも俺、フレンド一人もいないからフレンドを増やすところから始めるかぁ。 (フレンドはゲーム内での友達のことを表している!) フレンド宣伝ページ……フレンドを求めるページでは、たくさんの人がフレンドを求めて宣伝していた。 初対面の人を追加するのも変だよな…。 フレンド宣伝ページを見ながら歩いていると、前から走ってきた人にぶつかった。 「あっ、すいません。」 ゲーム内の吹き出し欄にそう書き込んで送った。 「おい、お前ふざけんじゃねーぞ!!」 最悪な返信が来てしまった。 超、たちの悪いやつらだ。 そしたら不意にパンチされて俺のキャラは殴られた。 さらにキックも喰らい、キャラは真横に倒れてしまった。 カチンときた。 でもここで俺が手を出すと、相手の思うつぼだ。 じゃあここで逃げるのか? 歯を食いしばってみるみる減っていくHPを眺めていたら… 誰かに殴られたかのように相手が倒れた。 びっくりしてその先を見ると、一人の男が立っていた。
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