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五頭龍大神
「そもそも主様は由緒ある水神様なんだぞ! あんな小娘の恋愛事情なんか知らねーっつーの!」
氷雨はまだプリプリと怒っている。
「恋する乙女、可愛らしいじゃありませんか」
白雨はクスクスと笑いながら首を傾げた。
「あの子いつも傘持ってるよね?」
少し不思議そうに春時雨は口にした。
「確かに雨の心配はないはずじゃがのぅ」
秋雨は晴れ渡った青空を見上げて春時雨に同意した。
「随分と盛り上がっていますね」
「主様!」
五頭龍大神の登場に、騒いでいた眷属たちはサッと居住まいを正す。
「主様におかれましては、ご機嫌麗しゅう」
「今日もヒトのお姿、キマってるよ!」
「これ春時雨! 無礼も大概にせんか!」
秋雨は慌てて春時雨を牽制した。
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