30 深みに嵌る

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呼吸が整ってきたのを見計らって掛けられた声におずおずと答えれば、ここで再び手を取られて握り込まれた。 えーっと…、これは何? まさか、この後もまだ続けるつもり………、はい。分かってます。当然そうですよねー。 だから、妙なこと考えるな。逃げるなよ…って?? あの〜、お願いだから、もう少し休憩させてほしいんですけど…。というか、思い切って、一旦、やめてみませんか? それで、ご飯食べるとか、おやつの時間にするとか、さ…?? 私、実は美味しい紅茶を淹れるの得意なんだよね。 それに、甘い物でも何でも作るし、もちろん準備も後片付けも全部私がやりますけど…?? そんな意を込めて懇願するように視線を送ると、私を見つめる瞳が柔らかく細まった。 それを見て、もしかして、わかってくれた?…と、期待したところ……、 『ねー、退屈になっちゃった。ここ、触ってもいい?』 「きゃぁあぁぁ…何するの!??」
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