30 深みに嵌る

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恥ずかしい…。 なのに、意思とは関係なく反応するそれは止められない。 息が上がって顔が赤くなってきたのが自分でもわかる。 逸らすことなく、真っ直ぐに。見つめられる視線が、熱い――――。 『すっっごいイイ眺め』 「やだっ…、あんまり見ないでって…」 『そう言われても、見たくてお願いしたわけですし…。それに、隠しても全部見えてますよ?』 「∼∼∼∼っ…」 とっさに腕で隠した身体の、上から下へと―――…。 ゆっくりと目線を何度か往復して、『その格好で乗られたら、そりゃ見ちゃうでしょ?』と。 揶揄うような口調に、さらに羞恥心が煽られる。 だけど、恥ずかしがっている間もなく、『はい、休憩終わりね』の声と同時に揺さぶられて、まともな思考を奪われた。 「まっ…、ゆ、うま…、待って!!」 『もう待てない。焦らされすぎて、どうにかなりそう』 「やぁっ…、まって!まっ…てっ…て…!!」 『莉乃さん…、これ、分かっててやってるわけじゃないよね?』 えぇぇ??何を??? だいたい、私がいつ焦らしたのよ!??
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