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何もかもがとろとろで…、というよりも、どろどろで体が動かない。
ちょっとやりすぎ…。このあざと貴公子め。
普段なら、少しくらいは文句を言いたくなるところなのに、多分もう頭がおかしくなってる。
熱っぽい眼差しに捕まれば……、捕まえられれば、離れたくなくなって、佑真の顔を見つめているうちに、もうなんでもいいや。幸せかも…って。
素直に頷くと、愛おしそうに頭を撫でられて、彼の温かい手に頬が包まれた。
酷く艶っぽい色気を漏らしながら、それに似つかわしくないくらい可愛らしく口付けるから―――――…。
なにこれ…。沼る。もう溺れ死にそう…。
甘ったるくて、柔らかくて、優しくて…、だけど、そんなの関係なくなるほど、目の前にいる一人の人間を愛しいと思った。
これ以上ないくらい、好きだと思った。
今までよりも、もっともっと。“好き”よりも深い感情なんて、初めてだった。
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