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………え?
なになに?それって、もしかして……?
思いもしなかった言葉に目を見開けば、彼はますます居心地が悪そうに瞳を揺らせてスプーンを置くと、両手で顔を覆った。
『すみません、今のはナシで。あの…こんなに面倒くさいことを言いたかったわけじゃなくて…っ』
「ううん、いいの。なんでも言い合おうって言ったばかりだし…」
『や…、さすがにこれは…』
子どもみたいじゃん…と、ため息とともに小さく吐き出すと。
『違うんです…。あの…なんていうか…、恥ずかしくて…、照れ隠しっていうか…。本当に食べてくれるとか思ってなくて…』
え?恥ずかしい?なんで??
や……、でも、そうみたいですね。
顔の前の指と指の隙間から見えた彼は、なぜか随分と照れている様子。
でも、ちょっとよく分からないんですけど?
だってね、さっきまで恥ずかしがっていたのは私の方だったから…。
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