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2.imitation
なんで今の僕が形作られたのか?
特に変わった家庭でもなかった。
ごく普通の家庭だった。
共働きの
そんな普通の家だったのに、昔から虐められていた。
なんで、こんな目にばかり遭うんだろう…
涙が溢れ落ち、僕は毎日、絶えずに泣き続けた。
家に帰ると、家族達がアニメを見てて、僕も見たかったのに、たったそれだけの事で僕は、大粒の涙が、家族皆の前で、僕は泣き崩れた。
サヨナラ、カオルがそう言って、ガレージから降り、去って行った。
それを茫然自失と眺めた僕は、シラフになったかの様に、あの頃の情熱の一切が、削ぎ落ちてしまって、最早何も感じない、心の冷たいニンゲンになっていた事に、カネの為にのみ、働く、ロボットになっていた。
僕は、怒りも何も、ストレスも何もかもが、なくなり丸くなった。それは、わかってはいたけれど、これからも此処で生きていく為に、そうならなければならなかった。
自分が正しい、その正義は、本当に間違っていた。
なまじ、正義感が強過ぎて、僕は良く葛藤していた。
本当に、これで良いのか?
何も考えない方が、良い時も有る。
人間の言う事をもう少し、信じてもイイよ。
人間の言う綺麗事を、僕は疑っていた。
誰も僕の事なんか、愛してない。
osterreichが、贅沢な骨を歌っている。
考えても出ない答えなんか、探すなよ
まるでそう言われているかの様だ。
僕はCo Shu Nieが、私達は仲間だと言うその言葉を疑っていた。
だって、僕の現実は、哀しいが、仲間なんかだと思っていない日々だったから。
そのライブ会場を途中で抜け出し、僕は涙を零した。
僕の周りにそんな人は一人もいない…
嗚咽を堪え、哀しさを一緒に連れ立っていた、彼女に見せまいと、トイレで独り咽び泣いていた。
お金だけが、罪悪感だ。
使う事が、ぼくの首を絞め続ける。
彼女達が悪いなんて、思っていない。ただ、自分のココ←頭が悪かった。
どうしようもなくね…
東京駅に着いて、新幹線に乗り、山梨へ向かった。
富士の青木ヶ原樹海に分け入った。
自分は昔から山に対する関心が深く、村上春樹の海辺のカフカに心酔していた20代前半、郊外の山に一度分け入って見たのだ。
獣道と言われる道に踏み入り、奥へ向かうと高い杉の木が、陽の光を遮り、森になって、カラスが鳴いていた。本当に、作品通りの世界観だったので、感嘆したのを覚えている。
僕は、中へさらに踏み入った。
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