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◆世界観・用語(2022/07/01更新)◆ 【『星灯(ほしあか)りと()けない(よる)』の世界】  大昔、昼には大きな星「太陽」が眩しく、夜には太陽よりは小さいけれどもそれでも大きな星「月」が数多の星と共に優しく、世界を照らしていた。  しかしある日、どちらが間違えたのかわからないが、太陽と月が同時に空に現れて衝突してしまった。  太陽と月は粉々に砕け散り、地上に落ちてしまった。  そしてそれを悲しんだ数多の星も、地上へと落下、そうして空から全てのものが消え、もはや空そのものがなくなり、世界は真っ暗になってしまった。  真っ暗になった世界には『暗闇(くらやみ)』と呼ばれる怪物がうろつくようになった。  『暗闇』はすべてのものを呑みこむ怪物。  火も人も建物も全て呑み込み無にする。  けれども、人々が絶望している中、世界の各地で地面から光り輝く液体が湧き出てきた。  後に星油(せいゆ)と呼ばれるようになるそれは、地上に落ちた星々が溶けたものであり、火を灯せば『暗闇』すらも追い払う聖なる光を放った。  そのため人々はその星油のオアシス、後に『星油(せいゆ)(いずみ)』と呼ばれる場所を中心に街を作り、真っ暗な世界でも生活をしていけるようになった。  それでも街の外は真っ暗闇。  だがその中を歩き、街から街へ歩いていく旅人も少なくはない。 【星油(せいゆ)】  砕けて落ちた太陽、月、そして星が溶けて、一度は地に吸われたものの、地上に湧き出した液体。  少しとろみがあって、舐めると甘い。きらきらとわずかに輝いていて、掘らなくても地中から湧き出てくる。また星油に導かれてか近くでは水も湧く。  人々はこの星油の湧き出る場所を中心にして街を作り、生活している。  星油そのものが淡く輝いているものの、燃料オイルとして火を灯し光を作れば、闇に潜む怪物『暗闇』をも追い払える。  そのため 多くの人々や街は、星油専用のランタンで星油の燃える光を保っている。 【星油(せいゆ)ランタンとその光】  星油専用のランタンはハリケーンランタンをベースにしたもので「星油ランタン」と呼ばれる。星油専用のため丈夫に作られている。  生活必需品だが高価なものである。基本的に一家に一つはある。  星油ランタンの光(星油の燃焼の光)は辺りを明るく照らすだけではなく、植物の成長を促すほか、全てを呑み込む怪物『暗闇』を追い払うため、街では一定間隔で設置し光を保っている。  暗闇の中を歩いていく旅人にとっても大切なものであり、これがなくては暗闇の中を歩くことができない。  星油の光は、時間も示す。  昼間は太陽の白い光に、夜は月の黄色っぽい色へと変化する。 【『星油(せいゆ)(いずみ)』】  星油が湧き出る場所であり、基本的に街の中心にある。  街の人々の生命線であるが、枯れることもあるという……。 【暗闇の中を歩く旅人達とその手記】  街は明るいものの、外は真っ暗な世界。そこを旅するのは非常に危険。  しかし理由があって旅をする人々もいる。  彼らは自身の歩幅から距離を計算し、そして日数を計算し、暗闇の中、次の街を目指して歩いていく。  多少の誤差があっても、街の近くまで来れば、街の光が見える。  しかしずれてしまっていると……彼らは光が見えるまで、歩くほかなくなる。  飲料食料、そして星油が尽きる前までに街を見つけられなければ、行き倒れるしかない。  旅人は主に今まで巡ってきた街の特産品を財産にして、旅に必要なものをやりくりする。  街によって価値のあるものは様々だが、本はどこでも高い価値がつく。  特に旅人の手記には価値があり、いざという時の財産として、それぞれ手記をつけている。  しかしこの手記はただ単に財産になるからという理由でつけているわけではない。  ――いつ死ぬかわからない、だからこそ、生きた証を残さなくてはいけない。  どう旅をしたのか、残さなくてはいけない。 【『暗闇(くらやみ)』】  真っ暗になった世界に蔓延る正体不明の怪物で、単純に『暗闇』と呼ばれている。  全てを呑み込むもので、建造物も火も人も呑み込んで無にしてしまう。  だが星油ランタンの光だけは嫌う。  しかし時に、その光も恐れない巨大な『暗闇』も存在するという。
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