三 「WEB小説って」2

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三 「WEB小説って」2

 わずか数行だが、まずは投稿した。ひとつ仕事をやり終えた気分だ。  Web小説投稿デビュー達成。ウキウキ、ワクワク、ドキドキした。  私はスマホを閉じて、お茶を飲んだ。  その日はなにも動きがなかった。  日曜日の朝、自分のホームを開くと、画面に変化があった。  フォロワーに「1」の数字がたっていた。  やったー。私でも相手にしてくれる人がいた。  画面をよく見るとコメントも来ていた。 「フォローしてください。」  私はフォロワーさんの筆名をクリックした。  筆名の下に【フォロワー】という文字が四角に囲まれていた。  その部分をクリックした。  自分のホームに戻ると、今度は「作品を本棚に入れて、ハートマーク、スターをください。」と書かれていた。  初心者用に指南をしていただいてるようだ。  私は指示通りに、作品を本棚に入れ、作品を開いて一ページ目を読んだ。  ちょっと意味がわからなかったけど、そのページにハートマークがある部分をクリックした。白線で形取られているハートマークをクリックすると赤い色がついた。一話にハートマークが一つだけ、一回きりで一つまで。五ページほど読むと投稿中の最後のページまで進んだ。その下の方には白線で形取られた星印が三つ並んでいたので、一応、星三つをクリックした。星印が色づいた。一作品に星は上限三つまで。数を増やすにはフォロワー数か読者数を増やすしかない。ということだ。  とりあえず、自分のホームへ戻った。  連載中の作品が更新されると通知が来る。翌日にわかったことだ。  一週間後、ふと疑問に思った。はて? 今のフォロワーさんは、一体、私の何が良くてフォロワーになってくれたのかと。  私に指示してくれた行為がフォロワーさんからはない。読んだページカウントもなければ、もちろんページごとのハートマークや作品への星マークには色がついていない。  確認の意味でフォロワーさんのホームを観に行った。  フォローしている人数が三桁ですごく多いが、フォロワー数が二桁で意外と少ない。  ふ~ん。  でも、三桁の人数もフォローしていると読むのも大変な作業だと思った。駆出(かけだ)しの私なんか相手にしている時間はないのだろう。じゃあ、どうして? と疑問はよぎるが、そのまま、自分のホームに戻った。  そこでふと思った。もしこれが「オレオレ詐欺」ならば、指示通りにクリックする私なんて、簡単にだまされるのではないかと、変な想像をしてしまった。
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