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救急車とパトカー、警察車両がうちの庭を埋め尽くしている。
話を聞きつけた大黒さんも来てくれた。田舎のいいところであり、遠巻きから私を見ている人たちからは冷たさを感じた。私を助けてくれたおじいさんはヒーローになるのだろうか。殺害された少年が悪い。しかし彼の若すぎる年齢と先のないおじいさん、移住者の私、誰が悪くなるかはわからない。マスコミ次第。ねつ造と反逆は別物だ。誰かの書いたシナリオに、きっと誰かは反論する。つぶやき、同意して、上から目線で非難する。
大黒さんが手をつないでくれる。その温かさだけを信じていようと思う。
多くの人が帰って、家に入るなり抱きしめてくれたから私を安心させようとしてくれているのだと思ったけれど、
「早くしないと他の奴に抱かれちゃう」
と言ったから、私は笑えた。大黒さんは笑わなかった。鋭い目で私を見て、おでこにキスをした。頬に、唇に。
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