くまぴょんの大冒険:海の底の守り神

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くまぴょんの大冒険:海の底の守り神

 こぐまのくまぴょんは海の近くに住んでいます。  海岸で遊んで、大好きなシャケおにぎりを食べて毎日楽しく暮らしています。  この間、海賊の宝箱から宝物の地図を見つけましたがくまぴょんは困っていました。   「うーん、海の底かぁ。どうやって行けばいいんだろう。僕は行けないよ、だってこぐまだもん」  くまぴょんは仕方なく、宝物の地図を懐中電灯と一緒にポシェットにしまったまま海岸で遊んだりしていました。  すると、砂浜の向こうから鳴き声が聞こえました。  急いで駆け寄ってみると、なんと貝のないヤドカリの女の子が泣いています。 「えーん、えーん」 「どうしたの?何かあったの?」  くまぴょんはヤドカリの近くにしゃがみ込んで訪ねました。 「えーん、私のお気に入りの貝を失くしちゃったの。えーんえーん」  ヤドカリのリカコちゃんはそう言って再び泣き始めました。 「新しい貝を持ってきてあげようか?」  くまぴょんはあたりを見渡しますが、よさそうな貝がありません。 「私たちの貝は海の守り神様からもらう特別な貝なの。だからまたもらいにいかなくちゃいけないの。でも、守り神様がいる場所は海の底だからとっても怖くて、一人じゃ行けないわ。えーん、えーん」 「そうしたら僕が一緒に行ってあげるよ!……あ、でも僕こぐまだから海の底に行けないだった。どうしよう……」 「本当?一緒に行ってくれるの?そうしたら私が魔法をかけてあげる!ヤドカリミラクルミラクルポン!はい、これでくまぴょんは海の中に入っていける様になったわ!さぁ、いきましょう!」  リカコちゃんに連れられてくまぴょんは海に入っていきます。  くまぴょんは本当に海の中に入れるのか少し心配でしたが、リカコちゃんの言う通り、海の中でも息ができます。 「わー!すごいリカコちゃん!ありがとう!海の中って綺麗だね!」  色とりどりの魚のパレードや、海藻の森を楽しそうに見つめながらくまぴょんたちは海の底へと進んでいきました。 「ねぇ、海の守り神様はどこにいるの?」 「うーんとーえーとねー、……大変!地図がないから分からないわ!」 「えぇー?それじゃあ迷子になっちゃうよ。宝物の地図ならここにあるんだけどなぁ」  くまぴょんがポシェットから宝物の地図を取り出すと 「あ!ここが守り神様の神殿よ!くまぴょんすごい!宝物もあるみたいだね!」  リカコちゃんは興奮して叫びました。 「本当!?やったーリカコちゃん、それじゃあ急ごう!」  くまぴょんも嬉しくて笑いました。  二人が海の底へと進んでいくと、だんだんとおひさまの光が届かなくなり、暗くなってきました。  あたりにはまるでお化けの様な魚も泳いでいます。  くまぴょんは怖くなってきたので、懐中電灯を照らしながら、リカコしゃんと手を繋いで恐る恐る進んでいきました。  すると、目の前に大きなピラミッドが見えてきました。 「あ!あそこが守り神さまの神殿よ!」  リカコちゃんが指差すと、ピラミッドはゴゴゴゴと大きな音を立てて扉が開きました。  くまぴょんは怖くて帰りたくなりましたが、リカコちゃんの貝のために頑張って進みました。 「よくきたな。私が海の守り神だ」  なんと、ピラミッドの中には王冠をのせたペンギンがいました。 「あなたが守り神ですか?リカコちゃんに新しい貝をあげてください!」  くまぴょんは一生懸命話しました。  ここへくる途中、リカコちゃんが欲しがっていた、ピンク色で、水玉模様のおしゃれな貝のことを。 「ふふふ。ただであげることはできない。もちろんお前の持っている地図の宝箱もな」 「どうしたらいいんですか?」  くまぴょんが恐る恐る訪ねました。 「それはな、なぞなぞに正解したらあげよう!さぁいくぞ!第一問!パンはパンでも食べられないパンは何だ!」  ペンギンの守り神様はなぞなぞを出してきました。  くまぴょんたちは一生懸命考えて、どんどん正解していきます。 「なかなかやるな。それでは最後の問題だ!パンの中でそこと言っているもの、何だ!」 「えーと、えーと、”パソコン”だ!」  くまぴょんとリカコちゃんは大きな声で答えました。 「正解だ!よし、それじゃあ約束通り貝と宝箱をくれてやろう」  リカコちゃんは、ピンク色の水玉模様のおしゃれな貝をもらいました。 「やったねリカコちゃん!とってもかわいいよ!」 「ありがとうくまぴょん!くまぴょんが手伝ってくれて私本当に嬉しかったわ!くまぴょんの宝箱には何がはいっているのかしら?」  くまぴょんはゆっくりと宝箱を開けてみました。   「何だろう?……あ!また宝物の地図だ!」  それは宝物のありかを示した地図でした。 「リカコちゃん、ありがとう。僕はまた宝物を探しに出掛けてみるよ!」 「くまぴょん、ありがとう。くまぴょんみたいに勇気があるこぐまなら、きっと宝物も見つかるよ!」  そうして、くまぴょんはリカコちゃんと別れ、海の中の景色を楽しみながらおうちへと戻りました。  くまぴょんは次はどこに行くのでしょうか。  それはまた次回のお楽しみ。  今日のおはなしはこれでおしまい。  おやすみなさい。
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