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「あたしの働いてるBARとは系列店なのよ〜? ちょっとしたヘルプね?」
「……なるほど」
とりあえず、再会を喜ぶよりも今日のメインは怜を祝福する席だ。紫藤は葛木が無理矢理引っ張ってきたので、真尋に続いて予約席の個室に向かうことに。
「では、ご注文がお決まりの時はベルを押してください。もし、今お飲み物がお決まりでしたら伺いますが」
「「「絶対ビール!! 全員ジョッキで!!」」」
葛木、王、優樹菜がそう言ったので、真尋は『かしこまりました〜』と言って準備のために下がって行った。
「うぉ〜……あんなかわい子ちゃんが、男ぉ?」
「世の中色々あんじゃん。奥さんに告げ口されたくなきゃ、さっさと消化なさい」
「やめて!? ツヅくん!!?」
総支配人の都築は少し老け顔だが、紫藤らとは実は同期らしくプライベートでは仲が良いようだ。
都築ももちろん妻帯者だが、今日は帰宅せずに怜のために参加してくれたとか。
目が合うと、彼は眼鏡越しに柔らかく微笑んでくれた。
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