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気になるのも無理はない。
仲間の幸せのためには、尽力を惜しまないものだ。怜が興味津々に聞くと……王は目をしどろもどろに動かしてから、口を開けた。
「……張……さん」
「ほうほう!」
国は違えど、同じ外国人枠。
となれば、研修などで一緒になることも多い。なら、親近感などが湧くのも無理がないだろう。そこから好意に発展したのかも……と。
と、怜が聞けば……王は強く頷いた。
「とっても……優しい、デス」
「いい人材だねぇ? じゃ、じゃ! 告白は?」
「……実は、返事……待ち、デス」
「え、いつ言ったの?」
「……昨日」
「おお」
今年の春からも一緒に仕事をするのは変わりないが、王は結構行動派だ。返事が待ち遠しいだろうが、張の気持ちを急いで聞きたいわけでもないとは思う。
何故なら、『昨日』と口にした後に暗がりでもわかるが苦笑いしていたからだ。
「……えーと」
とここで、何故か裕司もだが……先に帰ったはずの張まで一緒に来たのだ。
これには、怜もだが王も発狂しかけた。
「「な、ななな!!?」」
「……ごめん。怜やん」
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