第4話 酔い覚ましから、恋のキューピッド

2/3
前へ
/286ページ
次へ
 気になるのも無理はない。  仲間の幸せのためには、尽力を惜しまないものだ。怜が興味津々に聞くと……王は目をしどろもどろに動かしてから、口を開けた。 「……張……さん」 「ほうほう!」  国は違えど、同じ外国人枠。  となれば、研修などで一緒になることも多い。なら、親近感などが湧くのも無理がないだろう。そこから好意に発展したのかも……と。  と、怜が聞けば……王は強く頷いた。 「とっても……優しい、デス」 「いい人材だねぇ? じゃ、じゃ! 告白は?」 「……実は、返事……待ち、デス」 「え、いつ言ったの?」 「……昨日」 「おお」  今年の春からも一緒に仕事をするのは変わりないが、王は結構行動派だ。返事が待ち遠しいだろうが、張の気持ちを急いで聞きたいわけでもないとは思う。  何故なら、『昨日』と口にした後に暗がりでもわかるが苦笑いしていたからだ。 「……えーと」  とここで、何故か裕司もだが……先に帰ったはずの張まで一緒に来たのだ。  これには、怜もだが王も発狂しかけた。 「「な、ななな!!?」」 「……ごめん。怜やん」
/286ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加